パニック障害 (PD) は、予期せず繰り返されるパニック発作、または将来のパニック発作に対する恐怖を特徴とする、一般的なタイプの不安障害です。急速に発症し、動悸、胸痛、発汗、震えなどの症状が現れます。一部の身体疾患(喘息など)はパニック障害とともによく発生し、特定のライフスタイル要因(喫煙など)がこの障害のリスクを高めますが、因果関係はまだ不明です。近年、パニック症状と右前頭部の活動の増加との間に関連性があることが判明しました。遺伝的感受性因子も存在しますが、その正確な性質と病態生理学的メカニズムは不明のままです。認知行動療法(CBT)と、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、三環系抗うつ薬(TCA)、ベンゾジアゼピンなどのいくつかの薬剤がPDに効果的です。このうち、SSRI と SNRI は、その有効性と良好な副作用プロファイルにより、第一選択の治療薬と考えられています。